会社員時代
10年ほど前の話になるのかな。
かつて私はとある企業で正社員として働いていました。
(この会社がなかなかクセのある感じで面白かったから、機会があれば別の記事でお話ししたいな。)
私は大変真面目なので(自分で言う)、毎日静かに真面目に労働をしていました。
「職場とは働く場所なり」と思っていたタイプだったので、友達や話し相手が居なくてもだいたい大丈夫。
ある日…
ある日、退勤して帰ろうと駐車場へ向かうときに、同じ職場の人に声をかけられました。
数分喋った後だったかな。その人がこう言ったんです。
「連絡先交換しない?」
私は話しかけてくれた事に対しての喜び以上に、「ナゼ?」という大きな気持ちがありました。
理由は、きちんと喋るのがほぼ初めてだったから。
たまに、すれ違いざまに「おはよう」と挨拶する程度だった人から、急に距離を詰められてとても不思議でした。
そう思いつつも、当時はYES以外の返事をあまり知らなかった為、普通に交換します。
「まあ話すことも特にないだろうけど、会社の連絡事項とか教えてくれるのかな?」
「一人でいる私を放って置けない、正義感の強い人なのかな?」
一方で、「何かの勧誘とかじゃないよね…?」という一筋の不安も頭をよぎっていました。
でも、「いやいや、まさかそんなことないよね。この理由だったらいいな」と、
現実逃避気味に自分に言い聞かせていた気がします。
まあタイトルからも分かる通り、結果的には【何かしらの勧誘】だったので、私の一筋の不安の方が当たっていたわけです。
※ここで【何かしらの勧誘】と表現しているのは、10年以上前の出来事で、具体的な団体名や思想などは記憶が曖昧なためです。
ただ、「何かに勧められた・誘われた」という印象が強く残っているため、このような表現を使っています。
※ここでいう「一筋の不安」というのは、ただ単に「なんとなく嫌な予感がした」というよりも、「たぶん私は断ることになるんだろうな」「でも相手は熱心に話してくれるんだろうな」「断るのが苦手だからどうしよう」――そんな状況を想像し、罪悪感を感じ、苦しくなってしまうタイプだからこそ感じたものでした。
ご飯のお誘い
連絡先を交換してすぐ、「ご飯に行きませんか」とお誘いがありました。
「やはりこれは勧誘では…?」と思った私は、家族に相談することに。
🐥「ほぼ初めて喋った人と連絡先交換して、ご飯のお誘いがあった。なにかに勧誘されるのかな。断るのが苦手だから気乗りしないよ。」
🐈⬛「良かったじゃん!分からないから、とりあえず行ってみるのも良いと思うよ!」
相談してみて、「最初から疑ってばかりなのはよくないかも」「せっかくの出会いを無駄にしたらもったいないな」と思い直し、とりあえず行ってみることに。
いざ、食事へ…!
チェーンのファミレスで食事をしました。
そして案の定、ある思想や団体?のような「何かしらの活動」への勧誘でした。
(すみません、10年以上前の出来事なので、名前や詳細は記憶しておらず曖昧です。)
※ここで先にお伝えしておきたいのは、私は特定の思想や活動、信条などを否定するつもりはまったくありません。
人それぞれ信じるものや価値観があるのは当然だと思っています。
ただ、私は【断るのがとても苦手】なタイプなので、「きっとお断りすることになるのに、相手は一生懸命に話してくれる」
――そんな状況が、当時の私にはとても苦しく感じられて、最初からどこか不安があり、あまり気乗りしなかったんだと思います。
さて、「勧誘されたことがある人」って、意外と少ないかもしれないので、その場の雰囲気や、どんな話がされたのかを、覚えている限りで書いてみますね。
雑談しながら食事をしていたら、突然こんな質問がきました。
あなたは今幸せですか?
「あなたは今、幸せですか?」
今なら「おぉ、勧誘っぽいセリフきたー!」と少しテンションが上がると思いますが、当時の私はただただ戸惑っていて、何をどう返していいか分かりませんでした。
「これ、やっぱり何かの勧誘なのかな」
「断ったら怖いことになるかな…」
「増援を呼ばれたらどうしよう」などなど、色んな不安が浮かんできました。
当時の私は「幸せかどうか」なんて、深く考えたこともなかったので即答はできず、でもなんとか「はい」と答えました。
それが予想外だったのか、とても不思議そうな顔をされました。(幸せそうには見えなかったってことか?w)
活動?の紹介
そして冊子のようなものを見せられ、内容を紹介されました。
冊子?新聞?を渡され、読んでくれということだと思ったので軽く目を通しました。
「この活動をしていたおかげで、災害の被害が最小限に抑えられました」
「お祈りを続けていたら、素敵な出来事がたくさん訪れました」このようなことが書かれていたと記憶しています。
一通り目を通した頃、「どう思った?この活動ってすごいでしょ?」と聞かれた私は、正直にこう言いました。
「皆さん幸せそうで良かったですね。でも私には、活動と出来事の関係がよく分からなかったです。」
またさらに不思議そうな顔をされ、その後怖い顔をしながらどこかに連絡?報告?をしていました。
これを何度も繰り返した記憶があります。
(※10年以上前のことなので、細かい会話や文のニュアンスなどは記憶違いがあるかもしれません)
お互い自分の意見を譲らず
すごいでしょ?→分かりません→どこかに連絡?報告?
何度も何度も同じことの繰り返しに感じたので、「私は自分のことしか信じていません」という謎の迷言を誕生させてしまいました。
冊子を元に、その活動?思想?ついて何度も説明されましたが私の気持ちは変わらず、別れ際「今度一緒に活動に参加してみようよ」「この本だけでも持って帰ってほしい」などというお誘いもあったのですが、全て丁寧にお断りしました。
受け入れていたらどうなっていたんでしょうね。
「何かをもらったり、何かに参加して、お金を請求されたらどうしよう」とか、とにかく当時の私はビビリ全開でした。
いつも通りの日常へ
結局その後は何事もなく、職場でもまた「おはよう」とすれ違いざまに挨拶する程度の関係に戻りました。
拍子抜けしたけど、正直ホッとしました。
当時の私は本当に「断ること」が苦手で、この体験を通して、「無理せず距離を取ることの大切さ」や「意見を伝えることと、口論になることは別なんだ」ということを、少しずつ学べた気がします。
得られたこと
たぶん私は、断ったり意見を言う=喧嘩や口論みたいなイメージを強く持っていたんだと思います。
できるだけ穏やかに済ませたくて、だからこそ断るのが苦手だったのかもしれません。
でも実際は、断る時に威勢よく言い返したり、怒ったりする必要はなくて、穏やかでも、自分の意思はちゃんと伝えていいんだと、今では思っています。
今振り返ると、「せっかく珍しい体験だったから、もっと色々聞いてみればよかったな〜」とも思っています。
たとえば
あなたにとっての「幸せ」って何ですか?
なぜ私に声をかけたんですか?
その活動が幸せに繋がる理由は?
今なら聞ける気がするな。
でも10年前の私はそこまでの余裕がなかったんだろうな。
もしまた何かの勧誘に遭遇することがあったら、次はもっと冷静に対応して、色んな価値観を知る機会にしてみるのもいいかもしれないなと思っています。
※これはあくまで私個人の体験と感想です。
思想・信条・活動そのものを否定する意図は一切ありません。
また、10年以上前の記憶に基づく内容のため、事実と異なる点がある可能性があります。